本屋大賞はとってない

本屋大賞はとっていません

平成29年8月31日

今日で8月も終わりである。

「8月が終わりと言っても、1月からの積み重ねとしての8月が終わっただけだ」。

先日なくなった矢嶋雄二さんの言葉だ。

生前の矢嶋さんと一度だけお会いしたことがある(死後の矢嶋さんとは通夜と葬式で二回お会いした)。

矢嶋さんは記者になったばかりの私を行きつけのバーに連れていってくれた。

矢島さんは、ママさんから「チビ」とか「デブ」とか呼ばれて終始ご機嫌だった。

マスコミのご機嫌とりなんぞより、ワシにはこの女のほうがずっとよい、などと何度も繰り返していたのが忘れられない。

矢島さんがトイレで席を外した時、私はマダムに、あなたは矢島さんがどんなに偉い人なのご存知ですか?と聞いてみた。

ご存知よ、がその返事だった。

矢島さんは手を振って水を払いながら戻ってきた。

おい、お前、マダムを口説いていたんだろ。

嫌ね、この方は矢島さんはすごく偉い人だって私に教えてくれていたのよ。

おいおい、それはお前が一番よく知ってるだろ?

マダムはうつむいて顏を赤くした。

我々はまた巨星を失った。

矢島さんがご存命だったなら、今の国際状況をどのように語ってくれただろう。

そんなことを今朝ふと考えた。

 

『天声🙆ぽ』