本屋大賞はとってない

本屋大賞はとっていません

悲しみの上の喜び

「僕の悲しみの上には喜びが輝いている。それが君なんだ」

「私はあなたの悲しみの上に座っているの?」

「そう。輝いている」

「電車のシートに座ったら、前に座っていた人の生暖かさが伝わってくる感じ?伝わってきて、気持ち悪すぎて、これなら立ってる方がいい、みたいな感じ?」

「なにも、そんな言い方しなくても」

「輝いてるって、私が禿げだってこと?」

「君さあ、僕が禿げネタの冗談って全く笑えないって言ってたの忘れたの?」

「それはあなたが禿げじゃないから言えるのよ」

「ちょっと待ってよ。禿げネタの冗談って、禿げてない人が禿げてる人を笑うことじゃないの?」

「逆だってあるわよ」

「禿げてる人が禿げてない人を笑うの?」

「なにもそんな言い方しなくてもいいじゃん。私、あなたの悲しみの上に立ってやっているんだよ」

「そういう言い方するなら、降りていいよ。君とは終わりだ。さよなら」

「私が降りたら、あなたには悲しみしか残らないわよ」

「そうだな。もうちょっと考えさせて」

「わかった。じゃあ、とりあえず輝いているね」

終わり

 

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