本屋大賞はとってない

本屋大賞はとっていません

お題スロットに挑戦12

お題「冬の朝」

夜明けが闇と寒さを切り分ける。

オーバーコートのポケットいっぱいに詰められた梅の花。

いつか必ず咲く花。

握りしめる。

定期券を取り出すまで。

冬の栄光を受け取り損ねた男が。

ああそれは、蓋を開けたら、ほぼ百発百中、中身が飛び出す自販機のコーラ。

冬の朝は炭酸のように弾け、そうしてゆっくり拡散していく。

朝靄。

それを拒む霜。

誰もが「犬の糞お断り」と張り紙するが「小便もダメです」と書かないことが不思議。

冬の朝。

上司が好きなので、会社に行くのが苦にならない。

来春入ってくる新人も楽しみ。

僕は冷たい缶コーヒーを奢るだろう。

なぜ冬の朝の方が夏の朝より寒いのかわからない。

少しだけ甲高い声で、僕はおはようございますと言いながら、暑すぎるオフィスに飛び込む。