本屋大賞はとってない

本屋大賞はとっていません

できれば椎名林檎さんに主演してほしいドラマ 1

ドラマ 「悲しみに参拝」 第一話あらすじ
雪原玲子35歳。大手化粧品会社勤務。
友達2人。
一人は大学時代からの友人ヒトミ。
共通の趣味は高円寺のビストロ「モンプチ」でハーブ料理を食べること。
もう一人の友達はユキヒロ。
年に4~5回、3人で高尾山に登る。
一人暮らし。
外来種の珍しい亀を飼っている。
20センチほど。部屋中をのそのそ歩き回っている。
名はない。
「私の部屋にいる亀は1匹だけなのだから名前をつける必要なんてない」。
玲子は自分の名前だって、できればなくなって欲しいと思っている。
名のない亀と名のない私。それでいい。
玲子は背が高くスレンダーで、いつもロングスカートをはいている。
たくさんの男たちが寄ってきた。
しかし、男たちには名前があった。
だから、断った。
今日のチキンは少し火を入れすぎだった。
二人でいるとき、大抵はヒトミが話して、玲子は聞き役だった。
いまヒトミは自分が好きなマンガのことを話している。
本当のことをいうと、玲子はヒトミの話に興味がなかった。
ただ、ヒトミは、玲子が疲れて帰りたがっているタイミングを的確に察することができた。
ユキヒロもそうだった。
玲子は部屋に帰ると、亀の甲羅に手をあて、目を閉じて、亀が自分の手のひらの外に出て行くまでそのままでいた。
長く触れることができた日は、その分だけ嫌なことが少なくなった気がした。
ある日、玲子達は高尾山に行った。
ユキヒロの運転するミニクーパーは路線変更してきたスポーツカーに追突され、反対車線に飛び出し、小型トラックと正面衝突した。
ヒトミは死に、ユキヒロは植物人間になった。
ベッドの上のユキヒロは、なぜか「幸弘」に変わってしまったような気がした。
肉体をもった男になってしまった気がした。
数ヶ月に1回しか会うことのなかった幸弘をどのくらいの頻度で見舞えばよいのか玲子は迷った。
加害者は田村という商社マンだった。
羽田のフライトに間に合わせるため無理な運転をしたのが事故の理由だった。
田村は東京にいるときは必ず幸弘の見舞いにきた(この部分の設定は非現実的?田村は服役してる?)
32歳。色白。精悍な顔立ちで身体は引き締まり、身長は180センチ近かった。
ある日、玲子が病室に入ると、田村は目を閉じて、幸弘の怪我がない部分、数少ない美しい肌に手をあてていた。
しばらくして玲子がいることに気がつくと頭を下げた。
玲子は幸弘がこんな風になって始めて、そして仁美があんな風になって初めて泣いた。
一通り泣き終えて田村を見ると、田村は玲子に怯えているようだった。
そんな田村を見て玲子は「タムラ」と呼んでみたい気がした。
そうしてタムラとモンプチとは違うレストランに行ってみたくなった。
高尾山とは違う山に登ってみたくなった。
玲子は目を閉じ、そうして、亀に手を当てるような仕草をした。
第1話 完