本屋大賞はとってない

本屋大賞はとっていません

切なすぎるアニメ『君のあとを追う僕からの手紙』1

『君のあとを追う僕からの手紙』

シーン1

5月6日

 舞台は山口県。啓太と結衣は高校3年生。結衣は東京の大学に行く予定。

 啓太 東京、危なくないか?

結衣 なんで?

啓太 芸能人とかたくさんいるぞ。

結衣 …。

啓太 俺、オヤジに、金ないから岡山より東の大学には行かせられないって言われた。

結衣 …。

啓太 岡山より西にしろよ。

結衣 ごめんね。啓太が結衣のこと心配してくれているのはよくわかるけど、なんだか我田引水的なアドバイスに聞こえるんだ。

啓太 俺はただ…。

結衣 私が好きなんでしょ?

啓太 俺には自分の気持ちがわからないんだ。

(啓太、大の字になり青空を見上げる)

結衣 自分の気持ちがわからない自分ってなんなんだろうね?

啓太 「自我」かな?

結衣 違うと思う。

啓太 …。

結衣 啓太さあ、青空は自分が青いことを知っていると思う?

啓太 俺、自分のことで精一杯だから考える余裕もない。

結衣 じゃあ、私のことは?

啓太 すごく考えてる。

結衣 それって矛盾してない?

啓太 思春期だから仕方ないよ。

結衣 そういうの、ちょっと気持ち悪いな。第一、私たちつきあってるわけじゃないし。

啓太 …。

結衣 ごめん。今の言い方キツかったね。

啓太 正直、傷ついた。立ち直れないかも。

結衣 だから謝ったじゃん。ごめんなさい。

啓太 結衣に謝られるとなんだか妙な気分だな。

結衣 なんで?

啓太 なんだか深い仲って感じがする。